英語の適切な発音 / 他の母音 [AW] [OW] [OY] [uh(ə)] [母音+R]

2018年7月

AW sound [ɑ:/ɔ:][ô] 長母音

Short O (Oの単母音)を長めに発音。Long O (二重母音のouオゥ)とは違う点に注意。
・アメリカ英語・・・日本語「ア」の口の形で口の奥から「オー」と発音(オに近いアの音)
・イギリス英語・・・日本語「オ」よりもう少し口を縦に開けて口の奥から「オー」と発音
例えば「talk」は、アメリカ英語では「ターク」、イギリス英語では「トーク」のような発音になる。

・aw --- paw   hawk   crawl
・au --- fault   launch   haunt
・L が続く a --- all   small   also   salt   false
・LK が続く a (Lは発音しない) --- talk   walk   chalk
・T が続く augh --- taught   daughter
・T が続く ough --- ought   fought   brought

OW sound [au][ow] 長母音(二重母音)

「ア」と「ゥ」を1音で「アゥ」と発音。「ア」が強く「ゥ」が弱め。
これで1つの母音なので、「ア」と「ウ」を同じ強さでは発音しない。

・ow --- owl   bow(おじぎ)   cow   down
・ou --- out   mouth   shout   about   sprout

OY sound [ɔi][oy] 長母音(二重母音)

「オ」と「ィ」を1音で「オィ」と発音。「オ」が強く「ィ」が弱め。
これで1つの母音なので、「オ」と「イ」を同じ強さでは発音しない。

・oi --- oil   joint   moist   point
・oy --- boy   toy   ploy   oyster

uh [ə] 曖昧母音

英語には曖昧母音 [ə](シュワー/schwa)がある、ということになっている。
曖昧母音 [ə]とは、「IPA発音のどれにも適しない、はっきりとした特徴のない母音」を指す。
つまり、発音記号「ə」の音すべてが同じ発音というわけではない。
「アクセントがつかない弱い母音」というだけで特定の母音ではない。

英語ネイティブスピーカーにとって「曖昧母音」という母音はない。
彼らは「スペルや音節に応じた発音をしている」という認識であり、曖昧に発音しているつもりもない。
だから、彼らに potato の最初の「o」は何の発音か訊いたら、「short U [ʌ] の音」と言う人もいれば「short O [ɑ/ɔ] の音に近い」と言う人もいるし、away の「a」は何の音か訊けば、「short A [æ] に近いと思うけど…いや、short U [ʌ] かなぁ」と言う人もいる。
言語学者でもない限り「それは曖昧母音のシュワー(schwa)だよ」なんて言う人はまずいない。
また、辞書によっても notice の「i」の発音が「i」だったり「ə」だったりと一貫していない。

ただ、唯一明確なことは、発音記号「ə」が表示されている箇所にはアクセントがつかない。
英語でアクセントのつかない母音は非常に弱い音である。だから曖昧に聞こえてしまう。
しかし、英語ネイティブスピーカーはちゃんとその母音も適切な発音をしているのだ。
大体において、[ə]の発音は short U [ʌ] であることが多い。
スペルが「i」の場合は short I [i] の発音でよいことも多い。

 about    banana    cactus    gossip    lion    poem

R Controlled Vowels R が続く母音

アメリカ発音
母音の後にRの音を続ける。

イギリス発音
母音を伸ばすだけでRは発音されない…と一般的には言われる。厳密にはRの部分は喉の近くで「ァ」と発音するようだ。 ただし、Rの直後に母音が来る場合(母音で始まる単語が続く場合)は、その母音とリンクしてRが発音される。

Long A + R [ɛər] A の長母音 + R

Long A (Aの長母音) にRを続けて「エ(ィ)r」と発音。「ィ」を言うか言わないかぐらいでRの発音に移る。   アメリカ式「エ(ィ)R」  イギリス式「エ(ィ)ァ」

・are --- care   rare   share   glare   scare
・air --- air   chair   hair   flair   stair
・ear --- bear   pear   tear (破く)  wear   swear

Long E + R [iər] E の長母音 + R

Long E (Eの長母音)にRを続ける。   アメリカ式「イR」  イギリス式「イァ」

・ere --- here   mere   sphere   severe
・ear --- ear   hear   near   tear (涙)  clear
・eer --- beer   deer   leer   peer   steer
・ier --- pier   tier   fierce   pierce

Long I + R [aiər] I の長母音 + R

Long I (Iの長母音)にRを続ける。   アメリカ式「アィR」  イギリス式「アャ(アィァ)」

・ire --- ire   fire   tired   wire   inspire   desire

Long U + R [juər] U の長母音 + R

Long U (Uの長母音)にRを続ける。   アメリカ式「ユーR」  イギリス式「ユーァ」

・ure --- cure   pure   sure

Long OO + R [uər] OO の長母音 + R

Long OO (OOの長母音)にRを続ける。   アメリカ式「ウーR」  イギリス式「ウーァ」

・oor --- moor   poor

OW sound + R [auər]

OW soundにRを続ける。   アメリカ式「アゥR」  イギリス式「アワ(アゥァ)」

・our --- our   hour   sour   flour
・ower --- power   shower   tower   flower

AR sound [ɑ:r]

アメリカ式のAW soundにRを続ける。   アメリカ式「アR」  イギリス式「アァ」

・ar --- arch   art   car   jar   harm   park   large   smart

OR sound [ɔ:r]

イギリス式のAW soundにRを続ける。アメリカ英語ではLong O (Oの長母音)にRを続ける音という認識。   アメリカ式「オ(ゥ)R」  イギリス式「オー」

・or --- horse   pork   short   sport
・ore --- more   store
・oor --- door   floor
・our --- pour   four   mourn
・oar --- oar   soar   board
・W に続く ar --- war   warn   award

ER / IR / UR sound [ə:r]

Rの前に発音する明確な母音はない。Rを発音するのみなので他の「母音+R」より短めの発音。   アメリカ式「R」  イギリス式「ァ」

・er --- germ   verb   enter   river
・ir --- bird   girl   shirt
・ur --- turn   nurse   church
・ear --- earth   pearl
・W に続く or --- work   worse
・our --- journey   courtesy


※ 前回のフォニクスで述べているように、英語の綴りと読み方に絶対的な規則性はない。フォニクスはあくまでも「その読み方が多数派」というだけである。例えば「heart」の「ear」は例外でAR sound [ɑ:r] なので、heart [hɑ:rt] と hurt [hə:rt] は同じ発音ではない。
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