英語の適切な発音 / 子音 [F] [V] [H] [W] [P] [B]

2018年2月

英語を上手く発音したいなら子音だけの発音練習は不可欠。英語の子音を上手く発音するには・・・

1) 意識して息を多く吐く
 音声学上では日本語と同じ子音とされるものでも、英語の子音はもっと強い音。
2) 母音がつかないようにする
 日本語は母音を伴う発音であるため、ついつい母音までついでしまいがち。
 解説では便宜上その音をカタカナでも記しているが、カタカナはあくまでも参考イメージ。
 そのカタカナどおりに発音すると、母音もつくことになり子音だけの音ではない。
3) 子音は「発音」というより「雑音」をイメージすると良い
4) 無声音(息だけの音)なのか有声音(喉から声を出す音)なのかを認識する

F / PH [f](無声音) fun / off / elephant

上前歯の先を下唇の上に軽く置いて息を出したとき、上前歯と下唇の間から漏れ出る「フー」という息の音。息を吐き続ける限り発音できる。
たまに「息が出てきません」という人がいるが、息がせき止められてしまうほどに上前歯と下唇をしっかりくっつけない。
よく「下唇を噛んで発音」と表現されるが、それは誇張表現であり実際には下唇は噛まない。
日本語のファ行の子音は「F」で表記されるものの、歯と唇を接触することなく発音するので、英語のFの発音とは違う。

V / PH [v](有声音) vase / wave / Stephen

Fと同じ発音方法で喉から声を出したときに、上前歯と下唇が接触している箇所で「ヴヴヴヴー」と振動をおこす音。声を出し続ける限り発音できる。
日本人にはわかりづらいと言われるBとVの違いだが、Vは声を出し続けるかぎり発音できる摩擦音(振動音)だが、Bは下に説明するように声を発する一瞬だけ発音できる破裂音である。
この違いをわかっていれば、Bの音なのかVの音なのかを容易に聞き分けられるようになる。

H [h](無声音) he / ham

曇ったガラスを拭く時に吹きかける「ハーッ」という息の音。息を吐き続ける限り発音できる。
日本語のハ行の子音「H」と同じ発音だが、英語ではもっと息の出し方が強い。

W [w](有声音) we / way

唇をすぼめて突き出し、喉の奥から唇にかけて声を出したときの「ウォッ」という音。発音できるのは声を出す一瞬だけ。
日本語ワ行の子音Wと似ているが、もっと唇をすぼめて「ウォッ」と発音する。
日本語ワ行の音は唇の動きが少ないので「たし」→「たし」「〜」→「〜」と発音することが多い。
そのため、日本人による英語のWの発音も wolf を「ルフ」、woman を「ーマン」など「ウ」の発音になっていることが多い。
英語のWの発音は、もっと口をすぼめて「ウォルフ」「ウォゥーマン」といった音である。
ここでは子音に分類しているが、英語のWの発音も日本語ワ行の子音Wも、子音でもあり母音でもある「半母音」という位置づけである。

P [p](無声音) pea / cap

一旦唇をぎゅっと閉じて口先から息を一瞬で放出させたときの「プッ」という空気音。例えてみれば、スイカの種を口から「プッ」と出す時の音。発音できるのは息を出す一瞬だけ。
日本語のパ行の子音Pと同じだが、英語ではもっと強く息を吐く。cap などの語尾のPは「pu」と母音の u がつくことがないように注意する。しかし、ちゃんとPを発音する。
以前、地元紙に「keep it up」の発音を「キーピラッ」とカタカナで表記し、さらに語尾のPを発音しなくていいと解説されているのを見たことがある。
”そんなバカな”と思い、試しにアメリカ人の主人に「これ言ってみて」とそれを見せたら
「keep it uPッ!」とむしろ語尾のPの発音が強くて笑ってしまった。
「ここの解説では『語尾のPは発音しなくていい』なんて書いてあるんだけど」と言ったら
「発音しなくていいならスペルに書く必要ないだろう。語尾のPもちゃんと発音するよ」
と言っていた。当然である。
英語ではスペルにあっても発音しなくていい場合がある。そういったものを「サイレントE」とか「サイレントB」とか呼ぶ。
サイレントPもあるにはあるが psychology や pneumonia のように「psy」や「pne」からスペルが始まる単語や receipt や coup の p など、ごく限られた単語だけである。
Pとスペルされているなら基本的にPを発音する。
適切な「keep it up」の発音は「keep it up」であり、決して「キーピラッ」ではない。
語尾のPもしっかり発音する。

B [b](有声音) bee / cab

Pと同じ発音方法で喉から声を出したときの「ブッ」とも「バッ」ともいえる唇の破裂音。発音できるのは声を出す一瞬だけ。これが前述したVの発音との違いである。
日本語バ行の子音Bと同じだが、英語ではもっと強く息を吐く。cab など語尾のBは「ブ(bu)」と母音の u がつかないように注意。しかし、ちゃんとBを発音する。
発音しないサイレントBは bomb のように「mb」で終わる単語のBや debt のようにごく限られた一部の「bt」のBだけである。
それ以外のBは語頭であろうが語尾であろうがきちんと発音する。

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