英語の適切な発音 / 子音 [TH] [L] [R]

2018年1月

英語を上手く発音したいなら子音だけの発音練習は不可欠。英語の子音を上手く発音するには・・・

1) 意識して息を多く吐く
 音声学上では日本語と同じ子音とされるものでも、英語の子音はもっと強い音。
2) 母音がつかないようにする
 日本語は母音を伴う発音であるため、ついつい母音までついでしまいがち。
 解説では便宜上その音をカタカナでも記しているが、カタカナはあくまでも参考イメージ。
 そのカタカナどおりに発音すると、母音もつくことになり子音だけの音ではない。
3) 子音は「発音」というより「雑音」をイメージすると良い
4) 無声音(息だけの音)なのか有声音(喉から声を出す音)なのかを認識する

TH [θ](無声音) thin / teeth

舌先を上前歯の先端に軽くつけて息を吐いたときに、舌先と上前歯の隙間から漏れ出る「スー」という息の音。息を吐き続ける限り発音できる。
たまに「息が吐けません」という人がいるが、息がせき止められてしまうほど舌と歯をしっかりつけない。
よく「舌を噛んで発音」と表現されるが、それは誇張表現であり実際には舌は噛まない。

TH [ð](有声音) that / smooth

THの無声音と同じ発音方法で喉から声を出したときの「デャッ」といった感じの音。
発音できるのは声を出す一瞬だけ。
声を発したときには舌は上歯から離れている。
日本語のダ行やタ行に聞こえるが決して日本語のダ行やタ行の発音ではない。
以前勤めていた職場で同僚が、外国人旅行客に「トゥーウザンイェン」と何度も言っていたが、その旅行客は首をかしげるばかりだった。見かねたので私がしゃしゃり出て行き
「two thousand yen」と言って、やっと「2,000円」が通じたということがあった。
カタカナ発音では通じないことがあるという典型的な例だ。

L [l](有声音) look / well

舌先を上歯茎の裏に密着させて喉から声を出したときの音。声を出し続ける限り発音できる。
「ウー」と聞こえるが決して「ウー(uuuu)」と発音しているのではない。
well のようにLで終わる単語は、上歯茎の裏に舌先が軽くついたままの状態で終わる。
helpのようにLの次に別の子音が続くときも、look のように母音が続くときも、上歯茎の裏側に舌先を一旦ギュッと押し付けてLを発音してから舌先を自然に離して次の音に移る。
Lは日本語のラ行と同じと言う人もいるが、同じではない。日本語のラ行は、舌の上歯茎へのつき方が弱い上に舌先を弾いて離す音。
well が「ウェゥ」 ball が「ボー(ゥ)」 help が「ヘゥプ」などと聞こえるが決してLを「ゥ」と言っているわけではない。
日本人の耳には「ゥ」と聞こえるだけであり、英語ネイティブにはLの音か「ゥ」の音かの区別はつくので、Lを下手に「ゥ」で代用すると違う単語に聞き間違えられるか通じない。
また、Lの音を「ゥ」で代用している限り「girl」や「world」などLとRの混ざった発音ができないし、「word」と「world」の区別もつかない。

R [r](有声音) rain / air

舌先を上に向け、舌をどこにもつけずに喉の奥から声を出したときの音。
声を出し続ける限り発音できる。

カタカナで表現するのは難しい。犬の遠吠えのような、カラスの鳴き声のような音である。
rain, drive のようにRの次に母音が続く単語は、Rの発音直前に気持ち口をすぼめる。
そのため、rain のようにRから始まる単語は「ゥレイン」と聞こえるが、決して「ゥ」の発音を足しているわけではない。
口をすぼめ過ぎると rain が「ウェイン (wein)」とWの発音になってしまうので要注意。
bird や star のように「母音+R]の発音は、イギリス英語ではRは発音せずR部分を「バード」「スター」と伸ばすだけらしいが、アメリカ英語ではRを発音する。
母音の発音から自然に舌先を上に向けてRの発音に移る。例えば「art」の「ar」だけを発音するならば「アー」と言いながらそのまま舌先を上に向けると自然に「aaaaarrrrr」と発音できる。

日本語ラ行の子音はLでもRでもない

日本語のラ行の発音は、上歯茎の裏側に舌先を少しつけてから弾いて発音する「弾き音」というものに属する。
舌先を上歯茎につけたまま発音するLでもなければ、舌先をどこにもつけないで発音するRでもない。
言うなれば「LとRの中間の音」といったところだろう。実際に英語圏の人には日本語のラ行はLにもRにも聞こえるらしい。
私がアメリカ人の主人と知り合った英会話初心者の頃、Lの発音を日本語のラ行で代用していたら「君のLの発音はRの音に聞こえる」と言われてビックリしたことがある。その頃はLの発音は日本語のラ行と同じだとばかり思っていたので。
日本語のラ行がローマ字では「ra ri ru re ro」というように子音がRで表示されるのは、どちらかと言えば、Lのように舌先をつけたままの発音ではなく、舌を弾いたときの音なのでむしろRに近いためだろう。
他の言語をあげてみれば、Lの発音は前述の発音で一貫しているのものの、Rの発音はスペイン語のような巻き舌発音やフランス語のような口蓋垂(のどひこ)を震わせる発音などのように多種にわたる。日本語のラ行の子音はLの発音でもRの発音でもないが、一貫しているLの発音ではないとなれば、多種の発音があるRで表わすのが妥当といったところかもしれない。

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