「だよね?」は "isn't it?" それとも "right?" - 付加疑問の話
isn't it? などの付加疑問と文末の right? は同じ
日本語の「だよね?」は英語では isn't it? などの付加疑問か、それとも right? か・・・
ハッキリ言ってどっちでもいい。どちらも確認のために質問している点で同じ意味である。
丁寧すぎるわけでもなければ乱暴なわけでもない。
和訳は状況によって「だよね?」にもなれば「ですよね?」にもなる。
確実性の違いに言及する人もいるが、どちらも同じ!分けるほどの差はない。
付加疑問とは
isn't it? の形は付加疑問(tag questions)と言われ、主節の助動詞により
aren't you? / are you? / don't you? / do you? / didn't you? / did you? / isn't she? / is he? / am I? / wouldn't he? ・・・などになる。
付加疑問の文法ルールはいたって簡単である。全く難しくないが難しく考える人がいるようだ。
主節の助動詞が肯定なら付加疑問は否定、主節の助動詞が否定なら付加疑問は肯定の形をとる。
そして、話し手は主節の通りだろうと思っていて、確認のためにに付加疑問をつけるのだから、付加疑問通りの答えが返ってくると「ええぇー!違うの?!」と驚くことになる。
付加疑問や right? の例と答え方
付加疑問の例
【肯定文】
You like to dance, don't you?
踊るの好きだよね?
*** 答え方 ***
Yes, I do.
うん、好きだよ。
No, I don't.
いや、好きじゃない。
【否定文】
You don't like to dance, do you?
踊るの好きじゃないよね?
*** 答え方 ***
No, I don't.
うん、好きじゃない。
Yes, I do.
いや、好きだよ。
right? の例
【肯定文】
You like to dance, right?
踊るの好きだよね?
*** 答え方 ***
Right.= Yes, I do.
うん、好きだよ。
Wrong.= No, I don't.
いや、好きじゃない。
【否定文】
You don't like to dance, right?
踊るの好きじゃないよね?
*** 答え方 ***
Right.= No, I don't.
うん、好きじゃない。
Wrong.= Yes, I do.
いや、好きだよ。
なので必ず「Yes, I do. / No, I don't.」「Yes, it is. / No, it isn't.」など助動詞もつける。
付加疑問例文集
付加疑問の例文集だが持っているテキストがとても良いのでそれを記す。
right? の品詞は何かにこだわる必要はない
付加疑問のように使う right? の品詞は何か?
付加疑問だと言う人もいれば、Am I right? の Am I を省いているだけであり形容詞だと言う人もいる。
形容詞の欄にこの用法を載せている辞書もあれば、間投詞(interjection)として載っている辞書もある。
もうこうなったらどれだっていい。
この right? が付加疑問か形容詞か間投詞かなど大してコミュニケーションに影響は与えない。
付加疑問と同義または類似の huh? や文末につける you know?
他に似たような表現で、スラングの huh? や 文末につける you know などがある。
確認の質問ではなく賛同を促す「〜だろ?」「でしょ?」のような使われ方が多い。
かなりフレンドリーな表現である。
否定の副詞 (Negative adverb) の場合の付加疑問
否定の副詞を使う場合の付加疑問は常に肯定形である。
主節は肯定文だが否定の副詞で内容は否定と同じだから、付加疑問は肯定の形をとる。
【否定の副詞】
never 決して〜ない
rarely 滅多に〜ない(たまにしか〜ない)
seldom 滅多に〜ない
hardly ほとんど〜ない
barely ほとんど〜ない(かろうじてする)
scarcely ほとんど〜ない
提案や依頼にも使う付加疑問
「〜しませんか?」などの誘いや「〜してくれませんか?」などのお願いをするときにも
「命令形+付加疑問」の形で使う。
これは提案や依頼なので確認しているのではない。
丁寧さとしては文頭につける Would you や Can you と変わりはないが、口語なので非常に丁寧に表現したい場合はこの付加疑問の形は適切ではない。
更に、映画ではちょくちょく聞くが、万人が使うほど一般的というわけでもないようでパパウシは使わないと言う。
Help me, can you? フレンドリーな依頼
手伝ってくれる?
Help me, can't you? フレンドリーな依頼(少々イラつき気味)
手伝ってくれるかな?
Close the window, would you? 丁寧な依頼
窓を閉めてくれますか?
Do it now, will you? やや丁寧さに欠ける依頼
今すぐしてくれる?
Have a seat, won't you? 丁寧な提案
座りませんか?
Let's dance, shall we? 丁寧な誘い
一緒に踊りませんか?
以下の教示も目にするが、パパウシによればアメリカでは使わないらしい。
Let me help you, shall I? 丁寧なオファー
手伝わせてくれませんか?
Don't forget, will you? やや丁寧な禁止の命令で付加疑問はwillのみ
忘れないでね?
複文のときの付加疑問
複文のときの付加疑問は、話の内容によって主節に合わせるときもあれば従属節に合わせるときもある。
付加疑問文の「だよね?」と感想を述べる「だよね」は違う
日本語の「だよね」には2通りある。
「〜だよね?」・・・ 確認や賛同を促す
「〜だよねー」・・・ 漠然と感想を述べる
英語の付加疑問や right? は前者の「だよね?」と同じで確認や賛同を促しているのである。
だから後者の「だよねー」のように漠然と感想を述べる場合には使わない。
例えば「これ綺麗だよねー」と単に感想を述べているだけを以下のように英訳した場合、少し妙である。
この英文だと「これ綺麗だよね?どう思う?」とか「ほら、キレイだろ?」という意味合いであり、なんとなく感想を述べているわけではない。
まあもっとも、この意味では以下のように表現する方がより一般的ではあるが。
「これ綺麗だよねー」と単に感想を述べているだけなのであれば付加疑問などつけずに以下のようにシンプルな英文が妥当である。