法助動詞 can と could

2019年1月

   can ・・・ 事実としての能力や可能性または許可
   could ・・・ (1) can の過去形
        (2) 話し手の主観や仮説による能力や可能性または許可

中学1年生で初めて習う助動詞 can 。
日本人にとって比較的理解しやすい助動詞だが実は結構奥が深い。

can は実際の能力や可能性「〜できる」

can は事実としての能力や実際にあり得る可能性そして許可を意味し
「(実際に)できるよ、可能だよ、あり得るよ、していいよ」という和訳例になる。
否定 cannot = can't は、事実として能力や可能性がないことや許可できないことを表し
「(実際に) できない、可能ではない、あり得ない、してはいけないよ」という和訳例になる。

I can drive anywhere.
私はどこでも運転できる

Susan can translate the letter into Spanish.
スーザンならその手紙をスペイン語に翻訳できるよ

My husband can cook Mexican food.
主人はメキシコ料理を作ることができる

You can be a good player if you keep practicing.
練習を続ければ良いプレーヤーになれるよ。
(練習を続けるという条件なら実際に良いプレーヤーになる可能性があるよ)

This plastic container can be used in a microwave oven.
このプラスチックの入れ物は電子レンジでも使える

I can stop by the store on the way home.
帰りにそのお店に立ち寄ることできるよ

A bear can kill a human.
熊は人を殺すこともある。(実際にあり得る可能性)

Information on the Internet can sometimes confuse people.
インターネットの情報は人々を混乱させることもある。

Words can be a saver or a weapon according to how you use them.
使い方次第で言葉は救世主にもなれば凶器にもなり得る

You can bring your friends to the party.
パーティにあなたの友人を連れてきてもいいよ

You can stay with us for a while.
しばらく私たちのところに滞在していいよ

You can say that again.
全くその通りだ。
※直訳すると「またそれを言っていいよ」となり、強い同意を表す。

I can't speak Thai.
私はタイ語を話せない

I can't go anywhere today.
今日はどこにも行けない

She can't ride a bicycle.
彼女は自転車に乗ることができない

The Euro cannot be accepted at most places in Japan.
日本のほとんどの場所でユーロは使えない

He cannot read financial statements.
彼は財務諸表を読むことができない

Such a silly story can't be true.
そんなバカげた話が本当なわけない

She can't be drunk because she can't drink alcohol.
彼女が酔っ払うはずがない。だって飲めないんだから。

My husband can't cook, but he baked an excellent cake.
夫は料理ができないはずなのに、すごく美味しいケーキを焼いた。

Her dog can't do any tricks, but he shook my hand.
彼女の犬は何も芸ができないはずなのに、私と握手してくれた。

You can't smoke here.
ここではタバコを吸えないよ

You can't walk outside at night in other countries because of danger.
危険なので他国では夜に外を歩いてはいけないよ

can't と shouldn't の「〜するはずがない」は意味違い

cannot / can't は「〜するはずがない」と和訳されることもあるため shouldn't と混乱する人もいるようだ。
cannot/can't は「可能性として実際にはあり得ない」ことからの「するはずがない」で
shouldn't は「当然起こらないであろうという推測」からの「するはずがない」である。

That old run-down house can't cost a billion yen.
あのボロボロの古い家が10億円もするはずがない。(実際にはあり得ない可能性)

That old run-down house shouldn't be sold.
あのボロボロの古い家が売れるはずがない。(当然起こらないだろうという推測)

can の使い方からアメリカと日本の文化の違いが垣間見える

日本人は I can/can't speak English.(私は英語を話す能力がある/ない)と言いがちだが、
英語では I speak English. / I don't speak English.(私は日常的に英語を話す/話さない)
のように、能力のあるなしではなく日常的なこととして伝えることが多い。
疑問形も同様で Can you speak English?(英語を話す能力がありますか)ではなく
Do you speak English?(日常的に英語を話しますか)と訊かれる方が多い。

これは、どちらが間違いでどちらが正しいというわけではなく、文化背景の違いによるものだ。
アメリカでは各個人の confidence(自信のあること)が重要視される。
だからなのか、僅かでもその能力があれば「それができる(can)」ことになり、中程度の能力だともう「日常的にしている(do)」ことになってしまう。
そして、全く能力がないことについては、簡単に can't(できない)とは言わずに don't(日常的にしない)と述べる。
can't (できない) と発言する時点で「自信のない人」と捉えられかねないのがアメリカである。
アメリカでは履歴書など自分をアピールするものを作成するときは、少々大袈裟なくらい自分を持ち上げて書くくらいが丁度良い。

一方、日本は協調性を重んじる文化であり日本人は謙遜民族である。 自分のことを話していても常に相手を気遣い歩調を合わせる方が好まれる。だから謙遜が美徳となる。
僅かしかできなければ「できません (can't)」の類になり、そこそこの能力があってもやっとこさ「できます (can)」というレベルになる。
「日常的にしています(do)」なんて言えるのは熟達者レベルに達したときである。
だから、「英語が話せます/話せません (I can/can't speak English.)」と少々遠慮がちに言うのが日本語としては自然なのだ。
それはそれで素晴らしい文化だと私個人は思う。どちらが良くてどちらが悪いとも思わない。「文化の違い」なのだから、それぞれが尊重されるべきだろう。
ただ、英語は英語圏の言葉であり日本語ではないので、英語を話すときはその言語の文化に合わせた方が良いということは言うまでもない。

could (1) can の過去形「〜できた」

could の意味は2通りあり、その1つは can の過去形で、過去に事実として能力や可能性があったことやすることが許されたこと。「(実際に)できたよ、可能だったよ、あり得たよ、してよかったんだ」という和訳例になる。
否定は could not = couldn'tで、過去に能力や可能性がなかったことやすることが許されなかったことを表し「できなかった、可能ではなかった、あり得なかった、してはいけなかった」という和訳例になる。

※can の過去形としての could「〜できた」に if 節(もし〜ならば)が付くことはない。過去形として if 節を付けるなら、後述する I could have done if I had done (もし〜だったら…できたのに) の形となる。

★主節と従属節の時制を合わせるために can が could になったものは can と同じ意味である。

I could get home before it started to rain.
雨が降り出す前に家に帰ることができた。

When he was age 10, he could speak three languages.
彼が10歳のころ、3ヵ国語を話すことができた。

In my childhood, we could harvest lots of clams at the seashore.
私が子供のころ、浜辺でたくさんの貝を取ることができた。

In earlier times, any cats could be free to hang around the neighborhood.
昔は、どんな猫たちも近所を自由に歩きまわることができた。

In those days, some procedures could take a long time to complete due to no computers.
当時は、コンピューターがなかったため、手続きが完了するまでに時間がかかることもあった。

I couldn't get what he said.
私は彼の言ったことが理解できなかった。

I couldn't believe the headlines.
私は見出しを信じられなかった。

I couldn't walk to the mall due to the weather.
天候のせいでショッピングモールまで歩くことができなかった。

I couldn't afford to buy a car when I was young.
若い頃は車を買う余裕がなかった。(直訳:買う余裕を持つことができなかった

She couldn't enter the facility without permission in advance.
彼女は事前の許可なしではその施設に入ることができなかった。

We couldn't see the city councilor yesterday.
昨日はその市会議員に会うことができなかった。

My dog couldn't find his favorite toy.
私の犬は大好きなおもちゃを探すことができなかった。

Our kitten couldn't climb up to the window.
私たちの猫は窓をよじ登ることができなかった。

The gambler couldn't be a good husband.
そのギャンブラーが良い夫であるはずがなかった。

★時制を一致させる場合の could は can と同じ意味。

He told me (that) we could see full cherry blossoms this week.
彼は満開の桜を今週見ることができると私に言った。

My boss said (that) I couldn't take five days off.
上司は私に5日間の休みを取ってはいけないと言った。

could (2) 話し手の主観や仮説としての現在の能力や可能性
「〜できるかも」

もう1つの could は「話し手の主観的な考え」や「仮説としての現在の能力、可能性、許可」を表し「できるかも、可能かも、あり得るかも、していいかも」となる。

・現在のことを表現する仮説 ---> 実際には起こっていない例え話
   I could do if I did (if 節が過去形)
・今後のことを表現する仮説 ---> 今後に起こり得る可能性がある仮説
   I could do if I do (if 節が現在形)

単文だけの表現は主に「話し手の主観による可能性」であることが多いが、「if 節のない仮説」という場合もある。 それは、文脈や会話の流れから if 節をつけなくても仮説であることがわかるからである。
「話し手の主観による可能性」として、否定 couldn't が使われることはあまりない。
なぜならば、殆どの場合 can't / wouldn't / shouldn't / might not を使う方が自然だから。

A bear could kill a lion.
熊はライオンを殺せるかもしれない。(話し手の主観による可能性)

It could be just a rumor.
それはただの噂ってこともあり得る。(話し手の主観による可能性)

Most accidents in the home could be prevented.
ほとんどの家庭内の事故は防ぐことができるかもしれない。(話し手の主観による可能性)

Your dog could attack you if you didn't care about him.
自分の犬を世話しないなら、犬は飼い主を攻撃することだってあるよ。(例え話としての可能性)

If I had a car, I could save more time.
車を持っていたなら、もっと時間を節約することができるのに。(仮説としての可能性)
※実際には車を持っていないので多くの時間を使っている

"Are you going to the convenience store?"
"No, I am not, but I could (if you want me to)."
「コンビニに行くの?」
「違うよ。だけど(そうしてほしいなら)行くことだってできるよ」(今から起こり得る仮説)
※ これが I can だと「行っていいよ」と実際に行ってもいいと述べている

I could make it if I take a taxi.
タクシーに乗れば間に合うことができるかもしれない。(今から起こり得る仮説)

She could talk with the Mayor if we ask.
頼めば彼女なら市長に話すことができるかもしれない。(今から起こり得る仮説)

You could stay here for a while (if you want).
(あなたが望むなら)しばらくここに滞在したっていいんだよ。(今から起こり得る仮説)
※ You can stay here. だと「ここに滞在していい」という許可を出しているに過ぎないのに対し
You could stay here. は「ここに滞在することも可能である」と相手の選択肢の1つとして提示している。

He couldn't work for the software company if he didn't have programing skills.
プログラミングのスキルがないなら、彼はソフトウェア会社で働くことはできないだろう。
(仮説としての可能性)

※実際にはプログラミングのスキルがあるから彼はソフトウェア会社で働いている

She couldn't stop eating chocolates if she tried.
止めようとしたって、彼女はチョコレートを食べるのを止められないだろう。
(例え話としての可能性)

※ if の部分を even if 〜 (たとえ〜でも) とすることもできるが、 I couldn't do if I tried. は、一種の定型的な表現で「してみたところで、やっぱりできないだろう」という意味。
if には「もし〜なら」以外に「たとえ〜でも」の意味もあり、even if はそれを強調した表現。
しかし、仮定法など内容によっては if を使うのと even if を使うのとでは文全体が全く逆の意味になることもあるため、別物として覚えている人も多いだろう。
通常「もし〜ならば」の和訳が妥当なのは、 if 節を変えると主節の内容も変わる場合である。
I couldn't do if I tried. に関しては、「もし試したらできない」と和訳した場合、じゃあ「試さなかったらできる」のかと言えばそうではない。「試さなかったらもっとできない」はずだ。
いずれにしても「できない」ことには変わりない。だから、ここでの if は even if と同じ
「例え試してみても」と捉えることができる。

I wish I could. が I wish I can. ではない理由

I wish I could. という、お誘いなどを断るときの丁寧な定型表現がある。
これは、go there / come with you / join them / attend など、context (会話の流れや文脈) に合った動詞以降が省略された形で「行けたらいいんだけど(でも行けないんだ)」という意味である。
「行ける」のは仮説でしかないから could が使われ、それにより、仮説を伴うと不可能なことを望む意味になる wish が使われる。
これが can だと、実際に行ける可能性もあるということになるので、実現可能なことを望む hope が使われ I hope I can. となり「行けるといいな(行けたらいくよ)」という意味になる。
ちなみに、wish が不可能を望む単語だから could になるわけではなく、could の仮説を伴うから wish は不可能を望む単語になる。
だから、We wish you a merry Christmas.(楽しいクリスマスを送られるよう祈っています)などのような仮説ではない文章の wish は pray (祈る) と同義で実現可能か不可能かという点は問題ではない。

can の同義語 be able to

be able to は基本的に人の能力にのみ使われる。特に、過去形や未来形などでは紛らわしさをさけるために、また不定詞では文法上の理由から be able to が使われる。

過去形 was/were able to

could では仮説か過去形かが紛らわしいので過去形には was/were able to を使うことがある。
また、単に「できた」ではなく「できてしまったんだよ!」のような強意的に使うこともある。

I was able to talk with an American guy in English.
英語でアメリカ人男性と話すことができた。

I am not a composer, but was able to make a nice song.
私は作曲家ではないけど素敵な歌ができてしまった。

未来形 will be able to

未来を表す明確な時間要素 (tomorrowなど) がある場合は can が普通だが、そうでない場合は
未来形であることを明確にするために will be able to を使うことがある。

He will be able to be a reliable manager.
彼は頼もしいマネージャーになれるだろう

She will be able to swim faster.
彼女ははもっと速く泳げるようになるだろう

不定詞 to be able to

to can という使い方はないので to be able to とする。

I have always wanted to be able to speak English.
私はいつも英語を話せるようになることを望んでいた

You have to be able to use a computer.
コンピューターを使えるようにならないといけないよ

Can I 〜? / Could I 〜?  〜していいですか

許可をもとめる表現。Can I 〜? よりも Could I 〜? が若干丁寧ではあるが、正直な話、どちらを使ったところであまり大差はない。

Can I ask you something?
ちょっと訊いていいですか。

Can I smoke?
タバコを吸っていいですか。

Can I use your bathroom, please?
トイレを借りていいですか。

Can I park my car here?
ここに私の車を駐車してもいいですか。

Can I have a seat here?
ここに座っていいですか。

Such a beautiful cat! Can I pet her?
とっても可愛い猫ね!撫でていい?

Can I get two coffees please?
コーヒーを2つもらえますか。

※ coffee はカップに入ったものだと可算名詞になり得る。
  a coffee = a cup of coffee (1杯のコーヒー)
  two coffees = two cups of coffee(2杯のコーヒー)

Could I ask you a question?
質問してもいいですか。

Could I use your phone, please?
電話をお借りできますか。

Could I get three bacon and egg cheese burgers, please?
ベーコンエッグチーズバーガーを3ついただけますか。

Can/Could I get you 〜?  〜してあげましょうか

自分の好意による提案を意味する。動詞は get の他に give, bring, buy など、目的格代名詞( you, her, him など)を「(誰々)に」の意味で続けることができる動詞である。
Would you like me to get 〜? と同義だが、Can/Could I get you 〜? はとても口語的で丁寧さには欠ける。

Can I get you something else?
他にも何か持って来ましょうか。(持って来てあげましょうか)

Can I buy you a drink?
飲み物をおごってあげようか。

Can I show you a photo of my cat?
私の猫の写真を見せてあげようか。

Could I give you a ride?
車で送ってあげましょうか。

Could I bring you something to drink?
何か飲み物を持って来てあげましょうか。

Could I give you a wake-up call tomorrow morning?
明日の朝モーニングコールをかけてあげましょうか。

Can you 〜?  〜してもらえますか / 〜できますか

依頼のカジュアルな表現である。
依頼だけでなく能力を表す「〜できますか?」という意味になることもある。

Can you open the curtains?
カーテンを開けてくれる?

Can you pass me the soy sauce?
醤油を取ってくれる?(まわしてくれる?)

Can you grab my hat?
私の帽子を取ってくれる?(とってきてくれる?)

Can you get green onions on the way home?
帰り道にネギを買って来てくれる?

Can you hear me?
私の言ってること聞こえる? [能力]

Could you 〜?
 (もし可能であれば) 〜していただけますか / 〜できましたか

Can you 〜? と同じ依頼の表現だが、Could you 〜? は Can you 〜?よりも丁寧。
「もし可能であれば」という仮説に由来するものだからである。
また、依頼だけでなく過去の能力を表す「〜できましたか?」という意味になることもある。

Could you do me a favor?
頼みごとを聞いていただけますか。

Could you turn off the light?
電気を消してくれますか。

Could you tell me how to get to Sasebo station?
佐世保駅までの行き方を教えていただけますか。

Could you teach me the difference of these two sentences?
この2つの文章の違いを教えて頂けますか。

Could you hear me?
私の言ったこと聞こえましたか。[能力]

I could have done, but / I could have done if I had done
 することもできた(がしなかった)、もし〜だったら…することができたのに

過去に能力、可能性、許可があったのに実際にはできなかったこと。 but 節 / if 節が省略されているときもあるが、それは context (文脈や会話の流れ)で察することができるからである。
否定は過去に能力、可能性、許可がなかったのに実際にはできたこと。
I could not have done if I had done で、「もし〜だったら…することができなかっただろう」となる。

I could have gotten a position just after graduated the college, but I traveled all over the world for a year.
私はカレッジを卒業直後に就職することもできたが、1年間世界中を旅した。

I could have complained of the waiter's attitude to the restaurant, but the wonderful dinner stopped me from it.
ウェイターの態度についてレストランに文句を言う事もできたのだが、すごく美味しいディナーが私にそうさせなかった。

He could have gotten married with Carol, but he loved his work more than her.
彼はキャロルと結婚できるはずだったのだが、彼は彼女よりも仕事を愛した。

We could have stayed there one more night, but we left for home.
私たちはもう一泊そこに滞在することもできたのだが、帰途についた。

She could have given me her honest opinion.
彼女は正直な意見を言ってくれてもよかったのに。
(でも、彼女は正直な意見を言ってくれなかった)

If she had called me, I could've picked her up on the way.
彼女が電話をくれたら、途中で彼女を迎えに行くことができたのに。
(実際には彼女は電話をくれなかったので迎えに行くことができなかった)

You could have been a good player if you had kept practicing.
練習を続けていたら、良いプレーヤーになれただろうに。
(実際には練習していなかったので良いプレーヤーになれなかった)

He could have been a professional singer if he hadn't missed a big chance.
彼は大きなチャンスを逃さなかったらプロの歌手になれただろうに。
(実際には大きなチャンスを逃したからプロの歌手になれなかった)

"Did you go to the convenience store?"
"No, I didn't, but I could have (if you had wanted me to)."
「コンビニに行ったの?」
「行ってないよ。だけど(そうしてほしかったなら)行くこともできたのに」

If I hadn't met my babies, I couldn't have realized what parental affection is.
わが子たちとの出会いがなかったら、親の愛情と言うものを知ることができなかっただろう。
(実際には我が子たちとの出会いが会ったから、親の愛情を知ることができた)

If he hadn't made an effort, he couldn't have passed the exam.
彼が努力をしなかったならば、試験に合格することはできなかっただろう。
(実際には彼は努力をしたから試験に合格できた)

could have been able to の could は was able to ではない

could have been able to なんて表現を見ると「こんな表現あり?」と戸惑うかもしれない。
それは could = was able to と覚えてしまっているからだ。
しかし、could have been able to という表現は、日本語で教示しているのは見かけたことはないが、英語圏では might have been able to と同義としてよく使われる表現である。

can の同義語として be able to がある。
I can cook. = I am able to cook.  私は料理ができる

そして can の過去形の同義として was able to があり、could を使うこともできる。
I could cook fish. = I was able to cook fish.  私は魚を料理することができた

それゆえ could と was able to がいつも同義であるかのような錯覚を起こすが、基本的に could は can の過去形ではない。 could の基本的な意味は「仮説による可能性」である。
そして、補足的にcan の過去形として使える場合もあるだけのこと。

could have done が「実際には起きていないがそういう可能性もあった」ことを表現するのだから、この could には was able to の意味は全く含まれていない。
だから could have been able to という表現もあり得るわけだ。

I could have been able to cook fish, but I didn't have time.
私は魚を料理することができたかもしれないが、時間がなかった。

couldn't do more/less/比較級  (これ以上できないほど)非常に〜だ

more や less、形容詞の比較級を伴い「これ以上の可能性はないほど非常にそうである」という
意味を表す。
これが can't でない理由は、can't だと事実を否定していることになり、実際に行っていることを「もうこれ以上できない!」と言っているだけにしかならないからだ。
couldn't do more は「これ以上できないほど」という一種の比喩表現である。

I couldn't agree more.
全く同感だ。(私はこれ以上賛同しようがないほど全く同感である。)

I couldn't care less.
全く気にしてない。(私はこれ以上気にしていない状態になり得ないほど全く気にしていない)

This book couldn't be more interesting.
この本ほど興味深い本はない。(この本はこれ以上興味を持ちようがないほど大変興味深い)

Cats couldn't be cuter.
猫ほど可愛いものはいない。(猫はこれ以上可愛くなりえないほど非常に可愛い)

"How are you?" "(I) couldn't be better."
「元気?」「とっても元気よ」(これ以上元気になりようがないほど元気だ)

"How is your business?" "(It) couldn't be better."
「仕事はどうですか」「非常に順調だ」
(これ以上順調になりようがないほど大変上手くいっている)

couldn't have done more/less/比較級
  (これ以上できないほど) 非常に〜だった

couldn't do more/less/比較級 の過去形で、過去に「これ以上の可能性はないほど非常にそうであった」ことを意味する。

I couldn't have said it better myself.
全くおっしゃるとおりだ。
(自分ではそれ以上に上手く言うことができなかったほど同感する。)

The movie couldn't have been more exciting.
その映画は非常にエキサイティングだった。
(その映画はこれ以上ないほど非常にエキサイティングだった。)

"You should have been nice to her." 「彼女に親切にした方がよかったと思うよ」
"I couldn't have been nicer."  「これ以上ないほどとっても親切にしたけどね」

My dog couldn't have been happier with a bone toy.
私の犬は骨のおもちゃをこれ以上ないくらい非常に喜んだ。

疑問詞を伴う can と could の疑問形

疑問詞を伴う can / could の疑問形もそれぞれの定義に基づく。
can は実際の能力、可能性、許可、could は 過去形または仮説の能力、可能性、許可。
疑問詞を伴うと反語的に使うことも多い。

What can I do for you?
私に何かできますか?

What time can you come here?
ここへ何時に来ることできる?

When can we meet again?
今度私たちいつ会える?

When can I receive the items?
商品をいつ受け取ることができますか。

Where can I find a sweater for a cat?
猫用のセーターをどこで手に入れられるの?

Where in the facility could you let your dog enjoy running?
その施設内のどこで犬に走りを楽しませることができたの?

Why can I not sing well?
どうして私は上手く歌えないの?

Why could you take a photo with Johnny Depp?
なぜジョニーデップと一緒に写真を撮ることができたの?

Who can solve this question?
この質問を誰が解けるかな? ---> 実際に尋ねている

Who could have solved this complicated puzzle?
こんな複雑なパズルを誰が解けたんだ?
---> 解けるはずないのに、誰か解けてしまった

How can I eat this huge cake?
この大きいケーキをどうやったら食べられるかな? ---> 実際に食べるつもり

How could I eat this cute cat face cake?
こんな可愛い猫の顔のケーキをどうやって食べられるというの?
(食べられるわけないじゃない!)
---> 可愛すぎて食べるのがもったいない

How could you eat these awful cookies?
こんな不味いクッキーをどうやって食べられたの? ---> 実際に食べた (can の過去形)

How could she have eaten so many pizzas?
そんなにたくさんのピザを彼女はどうやって食べられたんだろう?
---> 食べられるはずがないのに、食べてしまった

How can you say that?
どうしてそんなことが言えるわけ?(よくそんなこと言えるね!)

How could you do this?
どうしてこんなことができるのよ/できたのよ
よくこんなことできるね/できたね!)

これら2つは can でも could でもあまり大差はない。
ただ、can は現在起こっていることに、could は過去に起こったことに使うことが多い。

同じ文章でも、当然だが context (文脈や会話の流れ)によって違う。

"He has been smoking for over 50 years. How could he quit smoking?"
「彼は50年以上もタバコを吸っているんだ。どうやってタバコを止められるというのだ?
(止められるわけないよね)

"He had smoked 2 packs a day, but now he completely quit smoking."
"Really? How could he quit smoking?"
「彼は1日2箱のタバコを吸っていたのだが、もう完全に止めたよ。」
「本当に?彼はどうやってタバコを止めることできたの?

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